大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)1072 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人柳沢叔太郎、同柳沢寛三の上告理由第一点について。

行政処分に対する取消変更を求める訴の出訴期間を経過した後であつても、利害

関係人が、当該処分の無効を主張できることは所論のとおりであり、この点に関す

る原判示はまちがつているというべきであるが、原判決の引用する一審判決は、本

件買収処分は無効でない旨判示しており、この判示は、原審の確定した事実関係の

下において正当として是認でき、そして本件買収が無効でないとする以上、所論指

摘の原判示は、判決の結果に影響するところがないから、論旨は採るを得ない。

同第二点について。

しかし、所有者を誤まつた買収の違法が、必ずしも、当然に買収の無効原因にな

るものといえないことは、当裁判所の判決(昭和二八年(オ)六五七号、同三〇年

四月二六日第三小法廷判決、集九巻五号五六九頁参照)でも明らかであるばかりで

なく、本件の場合、原判決の認定するところによれば、本件買収は上告人Aの所有

地として行なわれたのであつて、所有者を誤つた違法はなく、単に代表者の表示を

誤まつたというに過ぎないから、この一事を以て直ちに本件買収を無効といえない

ことはもちろんである。

論旨は、原判決の認定に副わない事実を前提とするものであるから、採るを得な

い。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

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裁判長裁判官 高 木 常 七

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 斎 藤 朔 郎

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